ランニング後の疲労回復は「水分」と「電解質」で決まる!脱水症状・ミネラル不足のリスクと対策とは?

ランニング
運動後、なんとなく体がだるい、頭がぼーっとする…そんな経験はありませんか?
それ、もしかしたら「水分と電解質の不足」が原因かもしれません。

この記事では、ランニングやエクササイズで失われる水分とミネラル(電解質)に着目し、疲労回復に必要な補給戦略を解説します。

🏃‍♂️ ランニング後の疲労感、なぜ起きる?

運動中は筋肉を動かすために大量のエネルギーが使われ、同時に体温調節のために汗をかくことで体内から水分と電解質が失われます。

このとき、失った分を正しく補えないと、以下のような症状が出ます:

  • だるさ、めまい、立ちくらみ
  • 筋肉のけいれんや違和感
  • 集中力の低下、思考力の鈍化
  • 翌日の疲労感の長引き

特に夏場や長時間のトレーニングでは「脱水症状」と「電解質の欠乏」がパフォーマンス低下と強く関連しています。

🔬 科学的に見る「水分喪失」の影響

体重に対する水分損失量 影響
1% のどの渇き。注意力の低下
2% 有酸素能力の低下(パフォーマンスが明確に下がる
3〜5% 疲労感、筋力低下、体温上昇
6%以上 めまい・意識障害・熱中症リスク

実際、Sawkaら(2007)の研究では、体重の2%以上の水分喪失で持久力が著しく低下することが報告されています。

💦 どれくらい汗をかいているのか?

運動時の発汗量は意外と多く、ジョギング程度でも以下のように水分が失われます:

運動強度 発汗量(L/時)
軽度ウォーキング 0.3〜0.5L
中強度ランニング 0.8〜1.5L
高強度インターバル 1.5〜2.5L

たとえば、60分の中強度ランで約1.2Lの汗をかいた場合、体重の2%を失う計算になります。(体重60kgの場合。発汗量は気温や湿度など環境的な要因で変動します。)

⚠️ 電解質ってなに?なぜ必要?

汗と一緒に失われる「電解質」とは、体内の水分バランスや神経・筋肉の機能を支えるミネラルのことです。

ミネラル 役割 不足時の影響
ナトリウム(Na⁺) 水分保持、神経伝達 けいれん、低ナトリウム血症
カリウム(K⁺) 筋肉の収縮、心拍調整 筋力低下、疲労感
マグネシウム(Mg²⁺) ATP産生、神経伝達 慢性疲労、痙攣

Hew-Butlerら(2015)は、過剰な水分だけの摂取によってナトリウム濃度が低下する「低ナトリウム血症」のリスクを警告しています。

🧪 具体的な補給戦略:水だけではNG!

水だけを飲んでも、体液中のナトリウム濃度は薄まり、逆に体調を崩す原因になります。
そこで推奨されるのが電解質入りの補給です。

特に30分以上の運動では、水+電解質+適量の糖質が吸収効率・疲労回復に効果的です。

🥤 スポーツドリンクの比較

商品名 Na (mg/100ml) K (mg) 糖質濃度 特徴
ポカリスエット 49 20 6.7% 糖質多め・軽運動向き
アクエリアス 48 8 4.5% 吸収はやや早い
OS-1(経口補水液) 115 78 2.5% 重度の脱水向き
Mag-on粉末 150 70 4〜6% マグネシウム高配合

運動の種類や発汗量に応じて選ぶのがポイントです。

📏 自分の発汗量を測ってみよう

運動中の汗の量を知るには、以下の手順が役立ちます:

  1. 運動前後に体重を測定(できれば裸)
  2. 飲んだ水分量を記録
  3. 発汗量(L)= 体重減少(kg)+ 飲水量(L) − 排尿量(L)

例:60kg → 59.2kg、飲水500ml → 発汗量 = 0.8kg + 0.5L = 1.3L

🚫 尿の色でも水分状態をチェック

尿の色 水分状態 対策
透明〜薄黄色 十分 維持でOK
濃い黄色 軽度脱水 こまめな水分補給
橙色〜茶色 中等度〜重度 即補給、医療対応を考慮

✅ 結論:疲労回復のための水分・電解質戦略

  • 運動後の疲労は「筋疲労」だけでなく「脱水とミネラル欠乏」が要因
  • 水分だけでなく、電解質(Na・K・Mg)も一緒に補給が必要
  • 自分の発汗量や尿の色をチェックしてセルフ管理する
  • スポーツドリンクは運動の強度に応じて選ぶべし

この知識をもとに、次回のランやエクササイズ後はぜひ「水+電解質」を意識して補給してみてください。

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